身体介護
食事介助・口腔ケア
食事は、栄養をしっかりとるだけでなく、心の健康や生活リズムを整えるためにも大切な時間です。毎日の食事を通じて、生活の質を高めることにもつながります。ご自身で食事をとるのが難しい方には、食事介助を行い、必要な栄養がしっかりとれるようサポートしています。食べることができない状態が続くと、口腔内の機能が低下し、全身の健康にも影響を及ぼすことがあるため、適切なサポートが大切です。また、口腔ケアは歯やお口の健康を守るだけでなく、むし歯や歯周病、口臭、誤嚥性肺炎の予防、さらには咀嚼・嚥下機能の維持や認知症予防にもつながります。日々のケアを通して、お口から全身の健康を守るお手伝いをしています。
CONTENT サービス内容
■体調確認・バイタル測定
■安全な姿勢の確保・移動
■配膳下膳
■口腔マッサージ
■義歯の装着・洗浄
■食事介助・水分介助・見守り・摂取量の確認
■嚥下の見守り
■口腔ケア・うがい
■食事形態の選択・相談・提案
【あったか伊那】が
大切にしていること
私たちは「自分で食べる」という意識と、それを支える環境づくりを大切にしています。たとえ箸をうまく使えなくても、少しくらいこぼしてしまっても構いません。介助用の食器を使ったり、時間をかけたりすれば、自分の力で食べることができるのです。椅子や車いすに座れるのであれば、ベッドの上ではなく、起きた姿勢で食事をしていただきます。家族と同じテーブルを囲むことも大切です。もし寝たきりでも、スプーンを握ることができるなら、それだけでも「自分で食べる」感覚につながります。自分の手で食器を持ち、いつもの席に座る ― その小さな行動が食事への意識を高め、自然と誤嚥のリスクを減らし、食べる楽しみを長く続けられると考えています。
POINT
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■感謝の気持ちを忘れずに
ただ栄養を摂るためだけに、黙々と食事介助をするのであれば、ロボットでもできるのかもしれません。でも、私たちが行う訪問介護は違います。私たちは、一人ひとりのご利用者様と向き合い、関わることができる特別な仕事です。食事は、奥様やご主人、お子さん、お孫さん、ご家族が心を込めて作ってくれたもの。その食事には「支え合い」の気持ちが込められています。私たちは、ご家族の思いや苦労、ご本人のこれまでの人生を知り、その大切な人生に関わることができることに感謝しながら、心を込めて支援しています。 -
■水分補給
高齢の方にとって、1日に必要な水分摂取量の目安は、食事から1000~1500ml、飲み物から1000mlほどです。合計で2000~2500mlが理想的だと言われています。水分が不足すると、脳の働きが低下して認知症の症状が進んだり、脱水によってせん妄などの意識障害が起こることも。また、年齢とともに体温調節が難しくなるため、夏は熱中症、冬は暖房の影響で知らないうちに脱水状態になっていることも少なくありません。こうしたリスクを防ぐためにも、こまめな水分補給が大切です。ただ、訪問介護では決まった時間にお伺いするため、食事の際に一度に多くの水分をとっていただくのは難しく、ご本人にとって負担になることもあります。そこで、食事の中に果物やゼリーなど水分を多く含むものを取り入れることも、水分補給のひと工夫です。無理なく、自然に水分がとれるようなサポートを心がけています。